U・Iターン

福井のUターン・Iターン事情

 

福井県の人口は760,000人と北陸3県では最も少ないですが、(一財)日本総合研究所が実施している「全47都道府県幸福度ランキング2020年版」では、2014、16、18年度版に続き4回連続で総合1位(富山県2位、石川県4位と北陸は3県とも上位)となっています。正規就業者の割合や共働き率、有効求人倍率が高く、また、全国学力テストや体力テストの成績が上位を継続するなど、仕事や教育分野における良好な環境が評価されたそうです。
その中で、子育て世代に対する支援制度が充実していることから、20代30代の移住者が増加しています。また、新しい働き方が広がる動きに対応し、サテライトオフィスの設置などテレワークやワーケーションを推進する取り組みも進められています。

 

子育て世代を中心にUターン・Iターンによる移住者が増加

 

福井県では近年、Uターン・Iターンによる移住者が増加し、この背景には、高い有効求人倍率などが示す安定した雇用環境、持ち家率の高さなどが示すゆとりある住環境、さらに、海や山へ短時間で行ける豊かな自然環境があると考えられています。
移住者の多くが20代30代の子育て世代です。都市圏に比べマイホームを取得しやすいこと、保育園の待機児童が少ないこと、学校教育の充実、自然と触れ合える場所が身近にあるなど暮らしやすい環境が魅力となっているようです。
中でも、子どもを養育する親の経済的負担を軽減する対策など、子育て支援制度が充実しています。市町によって条件が異なりますが、保育料の無償化や、子どもの医療費の原則無料化や助成など、都市圏では実施が難しいサポートが整備されており、これらについては、移住者はもちろん転勤等により福井県で生活するようになった方からも好評だといわれています。

 

学生のUターン就職も増加

社会人同様、県外の大学や専門学校などに進学した学生のUターン就職率も上昇し、これら学生の就職活動に対する支援策として、次の「Uターン・Iターン移住者のためのサポート等」でご紹介する「県内での就職関連活動のための交通費補助」などが実施されています。

 

Uターン・Iターン移住者のためのサポート等

福井へU・Iターン移住した方の生活などをサポートするために、県や各市町では支援金制度を設けたり福井での暮らしに関する情報提供を行ったりしています。U・Iターン移住者が利用できる主な制度などをご紹介します。

 

移住支援金(東京圏型)

東京23区から福井県内(一部対象外の町あり)へ移住し、福井県が選定した移住支援金(東京圏型)対象企業に就業した方又は起業支援金の交付決定を受けた方に交付金が支給されます。金額は、1世帯100万円、単身者の場合は60万円となっています。
なお、この制度の対象となる法人募集が県によって行われています。

移住支援金(全国型)

移住支援金(東京圏型)に該当しない方を対象に、県と市町が連携し、県内5市(今後増える可能性あり)に移住した方へ交付金が支給されます。なお、要件や金額は市によって異なります。

 

県内での就職関連活動のための交通費補助

県外の大学等に在籍する方あるいは県外在住で大学等を卒業してから3年以内の方が福井県内での就職を希望する場合、県内で開催される合同説明会などの就職関連イベント、県内企業の採用面接などに参加するための交通費が補助されます。

理系学生の奨学金返還を支援

県外の大学等で理系の専門分野を履修し、専門職や技術職でU・I ターン就職した方を対象に、奨学金返還の支援が行われます(最大100万円)。また、理工系の大学院修了後に、県内のものづくり企業への就職を希望する方に奨学金が支給され、7年間勤務した場合には返済が全額免除されます。

ローカルマガジン「ハイタッチ!」で福井の暮らしを紹介

県内にU・Iターン移住された方の声を通して、福井での暮らしや働き方を紹介しています。リーフレットとウエブサイトにより発信され、リーフレットは、「福井暮らすはたらくサポートセンター(福井Uターンセンター)」の福井・東京・大阪・名古屋・京都オフィスに設置。

ウエブサイトはこちらです。
https://hi-touch-fukui.jp/

将来の生活設計を考える「福井暮らしライフデザイン設計書」を作成

都会と比較した福井の暮らしやすさや魅力を伝え、県外で学ぶ学生さんが将来の生活設計を考えてUターン就職することを促す「福井暮らしライフデザイン設計書」が福井県によって作成されました。
福井と東京それぞれで就職して生活する場合の、大学卒業後23歳から60歳までの家計収支をシミュレーションして比較。仕事と子育てを両立しやすい福井では、夫婦共にフルタイムで働くことで安定した収入が得られ、住居費の負担も少なくて済むことなどから、生涯の家計収支は、福井が約3,000万円東京を上回るという結果が示されています。
本設計書は福井県のホームページからダウンロードできます。
https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/wakatei/hitouch.html

福井県の主要産業

U・Iターン移住者の働き方や就労先はさまざまですが、移住者の就労の場となる福井県の主な産業をご紹介します。
製造業では、古くからの基幹産業が繊維業です。織物関連事業に加え経編や染色においても技術開発が行われ、合成繊維を中心に新素材の開発も進められています。機械産業も盛んで、工作機械や自動車関連機器など広範な分野の産業機械が製造されています。また、全国の眼鏡枠生産の9割以上を占める眼鏡産業では、眼鏡枠製造の技術を活用し、医療器製造など新分野への展開も図られています。
成長が顕著な産業の一つが、半導体や精密部品などの電子部品製造業です。情報機器の生産拡大と技術革新に対応するために先端技術が活用されています。
移住者の中には就農を目指してUターン・Iターンする人もみられます。良質米の生産地として知られる福井ですが、坂井北部丘陵地などでは野菜や果樹栽培も盛んに行われ、観光事業と連携した取り組みも進められています。

Uターン・Iターン移住に関するサイトをチェック

福井県へのUターン・Iターン移住や就職・転職についての情報を掲載しているサイトです。
移住を検討している方は、行政が実施している支援制度や相談機関などについて把握し、詳細については県や各市町の担当部署に問い合わせてみましょう。


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